すべてをわかってるかのように聞いてくる朔夜くん。



「なにって……?」

「元気ないじゃん。藍澤先輩のことで悩み?」



隣にいる朔夜くんが横目で聞いてくる。

わかっちゃう……?



「うん。ちょっと……ね」

「まさか、なんか言われた?」



険しい顔になって寄りかかるのをやめた。

拳にぎゅっと力を入れてわたしを見る。

か、勘違いさせちゃった……!



「違うよ! わたしが勝手にモヤモヤしてるだけ」



慌てて否定したら、怒りを抑えてくれた。

逆にふてくされたように話す。



「勝手にか……? 歌桜がそうなってるなら、いつもと違うことくらい気づくと思うけどな」



それは、凌玖先輩が……?