「えっ」

「歌桜をひとりにするわけにもいかないし」



そう言って、わたしの横に並んで壁に寄りかかった。

心配しなくても大丈夫だよ?



「ひとりでも待てるよ……?」

「俺が歌桜といたいんだって。藍澤先輩がいないときくらい、いさせてくれよ」



凌玖先輩の部屋へ行っちゃだめと言われた相談だったり、文化祭実行委員のペアになったり、いつもそばにいようとしてくれる朔夜くんは優しいな。



「……ありがとう」



だけど、モヤモヤの原因はすぐに晴れなかった。

送信ボタンを押したスマホをじっと見つめる。



「……それで、なにがあった?」