「凌玖先輩っ」
「どうした、慌てて……」
寝起きの声で心配してくれる。
優しく聞き出してくれるから、先に凌玖先輩に話した。
「8時過ぎちゃいまして……。わたし、帰らなきゃ」
けっきょく、ゼリー食べてもらっただけで終わっちゃった……。
なにもしてあげられなかったな……。
「もうそんな時間? ごめん。こんな遅くまでいさせるつもりなかったのに……」
「いえ! わたしがお見舞いしたくて来たので! 凌玖先輩はちゃんと休んでてください。早く治して、一緒に登校しましょう?」
元気になってくれることがいちばん。
だから、安静にしてほしい。