肩と腕が触れてるから、そっちに意識がいっちゃうよ。



「大丈夫です!」

「ん。足もと気をつけてね」



まるで王子様みたいに導いてくれる。

凌玖先輩といると、いつも胸が高鳴ってばかりだ。



「ありがとうございます」



足もとに気をつけながら並んで歩いた。

凌玖先輩は肩が触れてるところ、なんて思ってるかな?

わたしと同じようにドキドキしてくれてたらいいな……。


今はなにを考えているんだろう。

わたしはお部屋に行っちゃだめな理由が知りたいよ……。


今がチャンス……だよね?

このままタイミングを逃したら、知らないままモヤモヤしちゃう。

お昼休みからずっと考えて、朔夜くんに話して決めたんだ。


……聞いてみよう。



「あの、凌玖先輩」