それとも、この学園にいる生徒……?
『お礼をさせてもらえませんか?』って言っちゃったけど、好きな人がいるならもう関わらないほうがいいのかな。
「憧れの生徒会長の好きな人って、どんな子だろうね。気になる〜」
わたしを学園まで案内してくれたのも、藍澤先輩にとってはみんなにやってる優しさであって。
好きな人に対してはもっと特別な顔するのかな。
どうしてか、胸がズキンと痛くなった。
あれ……?
なんでだろう。
こんな苦しくなることなんてなかったのに。
初めての入学式があって緊張してる?
……ううん。
今はそれよりも藍澤先輩の好きな人が気になる。
どんな人なんだろう……。