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放課後になると、お昼の天気が嘘みたいに雨が降りはじめた。
今日、折りたたみ傘持ってきてたっけ……?
心配になってカバンを確認したら、内ポケットに入っていた。
よかった、あった……!
なんとか雨に濡れずに帰れそう。
ホッとひと安心していると。
「歌桜」
廊下からわたしの名前を愛おしく呼ぶ声が聞こえてきた。
そちらを見れば、凌玖先輩が軽く手を振ってくれてて。
それだけで胸がくすぐられる。
お昼休みは気まずい空気にしちゃったから、心配かけないようにいつも通りに話そう。
荷物を持って凌玖先輩のもとに行った。
「お待たせしましたっ」
できるだけ自然に挨拶した。
「今来たばかりだから平気。いこっか」