「えへへ。嬉しいです」



思わず笑みがこぼれちゃう。

凌玖先輩も微笑んでくれるから幸せだ。



「中庭で食べよう。いいところあるんだ」

「わっ……」



凌玖先輩が手を掴んで、連れ出してくれた。

走っててもペースはわたしに合わせてくれて。


ちゃんと着いて来ているか何度も振り返って確認してくれる。

そんな優しいところも好きだなって思っちゃう……。


晴れた今日は外でお弁当を食べるのに最高の天気で。

中庭に着くと、並んでベンチに腰をかけた。

持ってきたカバンから凌玖先輩のお弁当を出す。



「これ、食べてくださいっ」



両手で渡すと、しっかり掴んで受け取ってくれた。



「ありがとう。開けていい?」