『いつもありがとうございます』


『えっ!ええー!』


目の前にいるのは、あの清野 遥輝(せいの はるき)君だよね?


か、か、カッコいい~!


嘘みたいだけど、絶対に間違えるはずない。


紛れもなく本人だよね。


『いつもライブに来てくれてますよね。あなた、すごくイケメンだから覚えてました』


これって、夢?


幻を見てるのかな?


遥輝君とたまたま入ったカフェで出会ったのも奇跡だし、声をかけられたのも奇跡だし、イケメンだから覚えてたなんて…


奇跡が重なり過ぎて、全然信じられないよ。


『ま、松山 幸斗って言います。全然カッコよくないです、遥輝君の方が1万倍イケメンです』


精一杯言葉にした。


『ううん。あなたは幸斗君っていうんですね、良い名前です』


『あっ、は、はい、ありがとうございます』


憧れの人に、な、名前で呼ばれた。


『幸斗君、良かったら一緒にお茶しませんか?』