_まさか、こんな偶然があるなんて思っていなかった。 俺たちがずっと探していた女 春樹さんの妹と会えるなんて。 春樹さんは俺の1個前の総長で、俺なんかよりはるかに強い。 仲間思いで責任感が強くて、一度決めたことは曲げないタイプの人だった。 俺の前でスヤスヤと眠っている藍。 俺は藍に大きな嘘をついている。 海岸でのあの質問の“意味”。 「それでも、お前は俺を好きでいてくれるか?」なんて、意地悪な聞き方だって分かってる。