可愛い、という言葉につられて顔を上げると、海先輩もしゃがんで私を見つめていた。 「後輩たちの前ではかっこいい先輩なのに、俺の前だとすぐ泣くよね。 覚えてる?高体連のとき。 自分は負けても泣かなかったのに、俺が負けたときは後輩たちに隠れて泣いてくれて」 海先輩は困ったように笑いながら、私の頬の涙を拭う。 「これから先も、俺の前でだけは泣いたり甘えたりしてよ。 …真歩が今日。本当に言いたかったこと、言って?」