そしていつも通りに授業を受けて、雫たちとも別れて、家に帰った。

別れ際に絶対に聞いてね、と念押しをされた。


「あー、疲れたぁ!」


帰ってきてすぐにベットにダイブする。

携帯を開くとメールが一件あった。


「あ、藤井さんからだ。」


藤井さんとは私のマネージャー(・・・・・・)さんだ。


「えー、『来年の春に放送になることが決まったドラマの撮影があります。詳しくは後日連絡しますので、逃げないでください。死活問題になります』……。」

「え?」


効果音をつけるなら高い金属音のチン、だろう。

死活問題って、生き死に関わる重要問題のことでしょう……?

私が逃げたら死活問題って……大丈夫かな?

仕事が多い方が死活問題になるのでは?

そんなことを思っていると、また藤井さんからメールが届いた。

後日に連絡するってかいてあったような……?


「『ドクター光井(みつい)の日記帳、というドラマの主人公の妹役になります。病弱という設定です。撮影は明後日なので頑張ってください。』」

「明後日!?」

「だ、台本は!?」

「『台本は今日、郵便に入っていると思います。撮影、よろしくお願いします』」

「絶対にもっと前から決まってたじゃない!」


だいほーん、っと叫びながら階段を駆け下りて行き、ポストに向かう。

お母さんに静かにしなさいと言われようが関係ない!

急いでポストの中身を見れば、藤井さんから私宛に届いているものがあった。

セリフが多い役なのかな?

なぜだか、茶色の大きな封筒が五つほどある。

悲しかな、これを覚えろとは……

藤井さんの鬼畜ぅ!

叫びたい衝動を抑えて封筒をもって自室に戻る。

意外と重たい