「って言うのが紅葉(もみじ)ちゃんがヒロインをしている恋愛ドラマの最終回よ」

「へー。あ、ねぇねぇ知ってる? この話、紅葉ちゃんが書いた小説らしいよ」

「え、本当!? って、さりげなく私の話を無視しないでよね。」


そういって頬をふくらますのは同級生の七瀬(ななせ) (しずく)


「無視はしてないじゃない。そのドラマの原作を書いた=もみじちゃんじゃない」


そう反論するのは同じく同級生の谷私(たにわたし) 理湖(りこ)


「ねぇねぇ、(もみじ)。椛はどう思う?」


わたしに顔を詰め寄らせながら言う

私は困った顔で


「紅葉ちゃんって誰?」


そう聞く。私は秋月(あきずき) (もみじ)だ。

私の顔は、十人全員が特徴のない顔だというだろう。


「えぇぇ! も、紅葉ちゃんを知らないだと!?」