―――......あの電話の後、考え事をしていた


「許嫁、か」


 ポツリと呟いた言葉だけれど、妙に部屋に響く


「多分、その男の子、璃桜ちゃんのこと好きだよ......」

「あぁぁぁ。私も告白でもした方がいいのかな......」


 うなだれるように言うと、誰かがそのわたしの呟きを拾った


「誰に告白するって......?」

「うわぁぁぁぁあ!!!」


 思いっきり立ち上がり、肘が机にぶつかり、部屋に鈍い音が妙に響く

 声のした方を見ると、そこには同期の幼馴染がいた


青空(そら)くん......」

「ん? 何かな?」

「い、いつの間に!?」


 ほかに言いたいことがあっただろうに、私はとっさにそうきいた


「いや、呼んでも返事がなかったから入ったら『告白した方がいいのかな......』って言っていたから......」