「ふわぁぁぁ」


目覚ましの音が鳴る前にめを覚ますことはよくある

しかし、現在時刻は七時半

結局、昨日は十二時くらいまで起きて必死に覚えた気がする

受験生でもないのに

ベットから降りて着替え始める

残念ながら芸能人が私服がダサいのはダメだと母はよく言う

そのため服は結構、ブランドものが多い

どうせ撮影になるからとシンプルなワンピースに着替える


階段を下って、台所に向かう

ラップにまかれた和食たち

それをレンジに突っ込む

今日は父は墓の芸能事務所の人たちとのお話

母は仕事だが、なんの仕事なのかは実は知らない


「いただきます」


寂しい朝食だが、仕方がない

そう思っていると、階段の方から足音がする

そしてゴンっ、という音が


「いってーー!」

「ちょ、ちょっと兄さん!」


慌てて駆け寄る


「あぁ、大丈夫だよ、桃香(・・)

「うん? もしかして寝ぼけてる?」


兄に彼女などいただろうか、と不思議に思っていると


「なんだ。覚えたんじゃないのか、台本?」

「え?」

「ドクターの話の第一話にあっただろ、転ぶシーン」

「いきなりやられてもわかるか!」