「ひ、陽遊、お前どしたんだよ」

顔を上げると、中3から仲良くなった山吹伊春(やまぶき いはる)がいた。

「春……ちょっと来て」

「お、おう」

春には全部話した方がいいな。

誰もいない資料室に入った。

「女の子なら誰でも喰ってたはずの陽遊なのになにがあった?ハッ……ま、まさかお前、男に目覚めたのか!?」

「殴っていい?」

「ひっ、すみませーん」

ったく。

「武道習ってた奴に殴られたかないわ!つか、あんだけ虹恋ちゃん好きな陽遊なら男に走るわけないか……」

「当たり前だろ。……金曜、虹恋に会ったんだ」