陽遊くんはひとりっ子だから、いまお家にいるのは陽遊くんだけなんだ……。

真向かいに座った陽遊くんの視線をすごく感じる。

「……で、なんで出歩いた?世間のアリスがこんな時間にあんなとこいちゃ問題になるよ?」

たしかにそうだけど……。

「……言いたくない」

「虹恋は俺に頼ってくれないよな。……あの時だってなにも教えてくれなかった」

陽遊くんの言ってるあの時とは、中2の時。

じわ……っと涙が溢れそうになった。

泣いちゃだめっ。

「……あの時はごめんね」

「……無理。全部話してくれるまで許さない」