僕は昔からいたずらが大好きで,人を試したりからかったりしては,反応を観察して楽しむ癖があった。

その日,君はいつものように隣のクラスから僕を迎えに来てくれて。

その時,僕はクラスメイトの女の子に落とし物を拾ってあげたところだった。

もちろん,僕は彼女が僕に声をかけるまでもなくその存在に気がついた。

そして,たまたまその時思いいたことを実行した。

何故と言われても,僕がそういう人間だったからに他ならない。

どんな反応をするかな? そう思っただけ。



「もう,落とさないでね?」

「……ぁ,ぃや,うん。ぁりが……とう」


僕は古都に見せないように気を付けていた表情を,あたかも目の前の女の子に向けたようにして笑いかけた。

その名前も知らない女の子は頬を染めていたけど,僕には関係ない。

ただ,大好きな女の子の反応だけに,意識を向けた。