階段を下りるとき,奏詞が横に並んだ。

見上げると,奏詞の右手に左手がからめられてちょっぴり照れた。

幼い頃ですらしたことない繋ぎかた。

恋人繋ぎ。

奏詞はふっと優しく,そして余裕そうに笑う。

幸せそうでもある奏詞を見て,もう悔しいとは思わない。

ただすきだなっと,そう思った。



「~っみっち-!」



私のファーストキス。

いちごでもレモンでもなく,金平糖の,甘いお砂糖の味がした。