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「じゃあキスしてくれない?」
誰もいない放課後。カーテンがふわりと揺れる三年の教室。たった今、この先輩の告白を断ったばかり。
ストレートの長い黒髪。切れ長の涼しい目に白玉のように白い肌は、どことなく青砥茉礼に似ている。
「どうして、そうなるんですか?」
「付き合えないなら、思い出にね。それとも、私のことキライ?」
「そうゆう……わけじゃ」
「ならいいでしょう? 藤春さんって、お願いすればしてくれるって聞いたよ。女子なら特に、ねっ」
俺の首に手を回して、先輩は情欲的な目で見つめてくる。
廊下で何度かすれ違ったことはある。認識はしていたけど、それほど話したこともない人だ。
ーー可愛い。キスしたい。私のものにしたい。
じれったそうな瞳を閉じる彼女の唇に、躊躇なく自らの唇を重ねる。
こうして女の子に触れるのは何度目だろう。数えきれないほどある。
マシュマロみたいに柔らかな感触、耳がおかしくなるほど近過ぎる心臓の音。何も感じない。心が揺さぶられるものが、何もない。
「じゃあキスしてくれない?」
誰もいない放課後。カーテンがふわりと揺れる三年の教室。たった今、この先輩の告白を断ったばかり。
ストレートの長い黒髪。切れ長の涼しい目に白玉のように白い肌は、どことなく青砥茉礼に似ている。
「どうして、そうなるんですか?」
「付き合えないなら、思い出にね。それとも、私のことキライ?」
「そうゆう……わけじゃ」
「ならいいでしょう? 藤春さんって、お願いすればしてくれるって聞いたよ。女子なら特に、ねっ」
俺の首に手を回して、先輩は情欲的な目で見つめてくる。
廊下で何度かすれ違ったことはある。認識はしていたけど、それほど話したこともない人だ。
ーー可愛い。キスしたい。私のものにしたい。
じれったそうな瞳を閉じる彼女の唇に、躊躇なく自らの唇を重ねる。
こうして女の子に触れるのは何度目だろう。数えきれないほどある。
マシュマロみたいに柔らかな感触、耳がおかしくなるほど近過ぎる心臓の音。何も感じない。心が揺さぶられるものが、何もない。



