スノー&ドロップス

 異物を弾こうとする者。それを見て見ぬふりする者。目を(つぶ)るだけで何も変わらない者。どこまでも人間は面倒な生き物だ。

 四限目の終わりを知らせる音楽が鳴った。クラッシックが流れ始めると、生徒たちは昼食の準備を始める。

 机をくっ付けたり、弁当袋を持って教室を出て行く人もいる。青砥茉礼は後者。いつも彼女はクラスの誰よりも早くこの場を離れ、一番最後に帰ってくる。

 席を立ちかけて、女友達に購買へ誘われた。返事をするより先に男子たちが口を挟む。

「藤春さん、ちょっといい?」

 クラスの中でも、ちゃらけたグループにいる男子生徒だ。

「雪ちゃんはうちらと食べるんだよ」

「少しくらいいいじゃねぇか。用があんだよ」

 ぐっと手首を掴まれて、不意打ちだったから足がよろけた。

「ならここで言いなよ」

「お前ら頭沸いてんのか?」

「知ってるんだからね。アンタたちが、雪ちゃんのことやらしい目で見てること!」

「はぁ? ばっかじゃねーの⁉︎」