スノー&ドロップス

「はい、これ。まじない掛けてあるんだから、もう壊すんじゃないぞ」

 白いセーラー服に着替えて来た姉から、小さなガラス細工を受け取る。継ぎ接ぎされた跡が残ってはいるけど、限りなく原型に近い状態になっていた。

 お礼を言いつつ、ふと思い出す。白と黒の制服が並ぶ情景。

「そういえば、ねーちゃんの高校って人数多いの?」

「まあ、わりと。三年になっても、知らん顔なんてわんさかおる」

 グレーのプリーツスカートを揺らしながら、「なんかしっくり来んな」と、新しい靴下の長さを調整している。どこの位置でもあまり変わらない気がするけど。

「そのうち、あの噂も忘れられてなくなるだろ。心配することはないさ」

「変なのに巻き込まれないように、気をつけなよ。特に、そこ、変なの多そうだから(姉を含め)」

「なめんなよ。うちはみんなどこかズレておる。東堂高校の奴らは、たいていな」

 そうフッと笑って、定位置が決まったのか、くるぶしまで靴下を下げた。


「……あのさ、ちょっと聞きたいんだけど」