スノー&ドロップス

「手繋いだり、こんなこと思春期の兄妹でするとか……変な兄妹だね」

 心臓がドッと跳ね上がる。手を上げて彼を押し飛ばそうとするけど、程よい筋肉の付いた胸板はびくともしない。

 頬を染める私を見下ろして、歯を見せる。つららのような尖った歯。

「協力してくれるなら、黙っててあげる。君とお兄さんのこと」

 兎のような可愛い顔は、狼のように目を鋭く細めて笑う。してやったりという顔をして。

 この人だって、男だという事実を隠して生きているくせして。私を脅すようなこと、出来る立場じゃないはず。

 だけど、私が誰かに公言することはしない。

 初めから分かっていて、交換条件を与えている。この人には……勝てない。

 彼を押している腕は、力を失くしたようにだらんとベッドへ落ちた。

「なーんてね」

「…………えっ?」

 思わず気の抜けた声が出た。
 冗談だよとクスクスと笑いながら、彼が体を離す。