背をむけている肩をそっと抱き締める。彼女の乱れる心臓の音が、僕の心に安らぎを持たらす。
「何かあった?」
「……ううん、なんにもないよ」
小さな胸は、より一層音を強めて僕の腕の中で震えている。
茉礼は昔から嘘を付くのが下手だ。唇をキュッと結んで歯を食いしばる癖。僕に対して何か後ろめたい事がある時、必ずその仕草をする。
「雪女の末裔って、何?」
「なんの……ことかな?」
今朝、起きてすぐに茉礼へ問いかけた僕の言葉。
知らないとでも言いたげな口ぶりは、不自然で違和感すら覚えた。
珍しく深夜まで起きていた茉礼は、家族用のパソコンで調べ物をしていたらしい。検索ワードは、どれも意味の分からないものばかりだった。
『雪女の末裔』『人間 雪女 特徴』『体温30度以下 生きていられる』
しかも、ご丁寧に履歴削除までして。
周囲からシャットアウトして生活してきた茉礼に、何か変化が起きた証拠だ。
ドラマや漫画の影響ならば、そう堂々と答えればいい。でも、僕に知られたくない理由があった。
「……祐」
学校で誰かと接触している。間違いない。
「鶯祐ってば!」
「何かあった?」
「……ううん、なんにもないよ」
小さな胸は、より一層音を強めて僕の腕の中で震えている。
茉礼は昔から嘘を付くのが下手だ。唇をキュッと結んで歯を食いしばる癖。僕に対して何か後ろめたい事がある時、必ずその仕草をする。
「雪女の末裔って、何?」
「なんの……ことかな?」
今朝、起きてすぐに茉礼へ問いかけた僕の言葉。
知らないとでも言いたげな口ぶりは、不自然で違和感すら覚えた。
珍しく深夜まで起きていた茉礼は、家族用のパソコンで調べ物をしていたらしい。検索ワードは、どれも意味の分からないものばかりだった。
『雪女の末裔』『人間 雪女 特徴』『体温30度以下 生きていられる』
しかも、ご丁寧に履歴削除までして。
周囲からシャットアウトして生活してきた茉礼に、何か変化が起きた証拠だ。
ドラマや漫画の影響ならば、そう堂々と答えればいい。でも、僕に知られたくない理由があった。
「……祐」
学校で誰かと接触している。間違いない。
「鶯祐ってば!」



