スノー&ドロップス

 四日目の日曜日。うとうとしながら、病院のベッドで朝を迎えた。一人だけ泊まれる病室で、ほとんど私が付き添っている。

 お父さんもお母さんも仕事があるから、いつも終わってから顔を出していく。二人とも深くは聞いてこないけれど、知りたがっている。あの日、何があったのか。

 スマホの待ち受け画面を眺めながら、だんだんと数字が滲んでいく。あっという間に目の前が見えなくなって、泣いていることに気づいた。

 どうしたらよかったのだろう。ただ、幸せになりたかっただけなのに、神様は許してくれない。


「……茉……礼」

 握り締めた手に、指先が当たる。空気の抜けたような声に顔を上げると、鶯くんが薄っすらまぶたを開いた。

「鶯……くん?」

「鶯祐⁉︎」

 ちょうど入ってきたお母さんが、すぐに反応して隣にしゃがみ込む。
 入院中、一度も弱音を吐いたことのなかったお母さんが、子どもみたいに泣いている。こんな姿を見たのは、初めてかもしれない。

「……よかった! 生きててくれて、本当によかった! みんな、すごく心配したんだからね」
「ごめん」

 あまりの気迫に、鶯くんは少し戸惑っていた。どんな言葉を返したらいいのかと、何秒か止まっていたから。

「お父さんに連絡してくるから、ちょっと待ってて! あ、茉礼、ナースコールしておいてくれる?」