スノー&ドロップス

「青砥さんって、誰かに媚びたりしないし、群れないでしょう? そうゆうの、自分を貫いてる感じがして、いいなぁって思ってたの」

 にこりと笑う藤春さんから、視線をそらす。

 そんなんじゃない。鶯くんがいないと生きていけない。ただの弱い人間。

「君にだけ、特別にわたしの秘密を教えてあげる」

 ……秘密?

「わたしの手、冷たいでしょう? 冷え切ってると言うか、体温がないみたいじゃなかった?」

 たしかに、アイスみたいって……。

「わたしね、雪女の末裔なの。みんなと違う。特殊な生き物なんだよ?」


 雪女の……末裔?

 下を向いたまま、頭の中でもう一度再生する。
 どういう意味か、すぐに理解出来なかった。

「青砥さんとは、仲良くなれる気がするの。だって、同じ匂いがするから」

 ふわりと冷たい感触が手に伝わってくる。

 気付いたら、藤春さんの両手が私を包み込んでいた。

 女の子だと言っても、触れてしまった。
 約束……してるのに。鶯くんと築き上げてきた世界を、壊したくない。

 だけど……。

「このこと、誰にも言ってないから。みんなには内緒にしててね」


 ーーふたりだけの、秘密だよ。

 友達という存在に、少しだけ興味が湧いてしまった。