カンカンと階段を降りる足音がして、東堂高校の制服を着た女子生徒が現れた。身長のわりに貫禄のあるオーラで、ふたつの団子頭が特徴的なーー。
「……は? 姉貴?」
小柄な体をヒョイッと浮かせ、地面に着地する。腰を抜かしていた男たちが、姉の合図で退散して行った。
状況の判断ができない。姉が仕組んだことだとして、なんのために?
「見ての通り、アイツらは見せかけや。最初から暴力を振るうつもりはなかった。もちろん、写真持っとるのもウチだけ。怖がらせて悪かったな、茉礼ちゃん」
申し訳なさそうに眉を下げる姉に、カッと血の気が昇る。
「ふざけるなよ……! 勝手に説明して終わらせて。こんな危ない目に遭わせるとか、どうかしてるよ!」
「雪を選んでほしかったんや」
怒鳴り声が響く中、ぽつりと放たれた言葉。
ーー絶対絶滅のピンチに駆けつけて、助ける姿を見せられたら、雪を好きになってくれるかもしれない。雪を救えるかもしれない。
静かな心の声が聞こえてきて、なにも言えなくなる。
全部、俺のせいじゃないか。彼女を危険な目に遭わせたのも、姉を悪に変えてしまったのも。
「ごめん……。ほんとにごめんなさい」
深く頭を下げる姉の前で、青砥さんは小さく首を横に振る。こぼれ落ちそうなほど涙をためながら、何度も何度も大丈夫と。
「僕は許してない。茉礼を危険にさらしたんだ。警察を呼ぶべきだろう」
「やめて! 鶯くん、そんなことしないで」
「……は? 姉貴?」
小柄な体をヒョイッと浮かせ、地面に着地する。腰を抜かしていた男たちが、姉の合図で退散して行った。
状況の判断ができない。姉が仕組んだことだとして、なんのために?
「見ての通り、アイツらは見せかけや。最初から暴力を振るうつもりはなかった。もちろん、写真持っとるのもウチだけ。怖がらせて悪かったな、茉礼ちゃん」
申し訳なさそうに眉を下げる姉に、カッと血の気が昇る。
「ふざけるなよ……! 勝手に説明して終わらせて。こんな危ない目に遭わせるとか、どうかしてるよ!」
「雪を選んでほしかったんや」
怒鳴り声が響く中、ぽつりと放たれた言葉。
ーー絶対絶滅のピンチに駆けつけて、助ける姿を見せられたら、雪を好きになってくれるかもしれない。雪を救えるかもしれない。
静かな心の声が聞こえてきて、なにも言えなくなる。
全部、俺のせいじゃないか。彼女を危険な目に遭わせたのも、姉を悪に変えてしまったのも。
「ごめん……。ほんとにごめんなさい」
深く頭を下げる姉の前で、青砥さんは小さく首を横に振る。こぼれ落ちそうなほど涙をためながら、何度も何度も大丈夫と。
「僕は許してない。茉礼を危険にさらしたんだ。警察を呼ぶべきだろう」
「やめて! 鶯くん、そんなことしないで」



