スノー&ドロップス

 立ち去ろうとした時、カシャッと写メを撮る音がした。

 なに、今の音。

 周りには誰もいない。不思議に思っていると、藤春雪に絡んでいたらしき上級生の男子が目の前に現れた。茶髪にピアスを付けて、いかにもチャラそうな格好。

「なんだお前。今、盗撮したよな?」

 ぶるぶると首を振る私の肩を抱き、強引に裏へと連れて行く。

 すごい力……抵抗出来ない。かと言って、声も出せない。

 されるがままに引きずられて、もう一人が待つ場所へ。

「……青砥さん?」

 ぽかんとした表情の藤春さんが、こちらを見ていた。

「すげぇビン底メガネ。俺、こんなん初めて見たわー。おもしれぇ」

 覗き込まれて、俯いて顔を必死に隠す。

 こわい、やめて。絶対に目を見られるわけにはいかないの。

「そりゃこんな美少女が同じ学校(ガッコ)にいたら、顔隠したくもなるよなぁ」

 ぐいっと肩を抱かれて、震えがおさまらない。

「その子は関係ないでしょ。告白断ったからって、逆恨みしないで下さい」