ーーガチャ。
手首に付けられた輪を見て、子どもの頃を思い出す。こんな手錠のおもちゃがあったような気がして。思い違いかも知れないけれど、それよりかなり頑丈でずっしりとしている。
ベッドの枠と私の手を繋げると、鶯くんは手錠が閉まる方向にも鍵を掛けた。
「どうして、こんなこと……するの?」
「もう二度と逃げないように」
「……どこへも、行かないよ?」
「絶対なんて確証はないだろ? 現に、駆け落ちまがいのことをしていたのだから」
「あれは……、そんなんじゃ……」
「あの夜、僕と生きていくと茉礼が選んだんだ。忘れないで」
じゃあ行って来ると言い残して、鶯くんは部屋を出た。物音ひとつしない空間で、私は膝を抱えて蹲る。
強く腕を動かしてもビクともしない。これは、鶯くんを裏切っていた罰なのだろう。
無断で学校を早退した日の夜から、一週間、私は外へ出ることを禁止された。その間は、学校へも行かせてもらえない。
藤春くんは、今頃どうしているだろう。私がいなくなって、呪いの頼りに困っているかな。
あの場の空気に耐えられなくて、自分から逃げてきたくせに、また彼のことを思い出している。
五日経っても、一度も鳴らないスマホが結果を示しているというのに。
手首に付けられた輪を見て、子どもの頃を思い出す。こんな手錠のおもちゃがあったような気がして。思い違いかも知れないけれど、それよりかなり頑丈でずっしりとしている。
ベッドの枠と私の手を繋げると、鶯くんは手錠が閉まる方向にも鍵を掛けた。
「どうして、こんなこと……するの?」
「もう二度と逃げないように」
「……どこへも、行かないよ?」
「絶対なんて確証はないだろ? 現に、駆け落ちまがいのことをしていたのだから」
「あれは……、そんなんじゃ……」
「あの夜、僕と生きていくと茉礼が選んだんだ。忘れないで」
じゃあ行って来ると言い残して、鶯くんは部屋を出た。物音ひとつしない空間で、私は膝を抱えて蹲る。
強く腕を動かしてもビクともしない。これは、鶯くんを裏切っていた罰なのだろう。
無断で学校を早退した日の夜から、一週間、私は外へ出ることを禁止された。その間は、学校へも行かせてもらえない。
藤春くんは、今頃どうしているだろう。私がいなくなって、呪いの頼りに困っているかな。
あの場の空気に耐えられなくて、自分から逃げてきたくせに、また彼のことを思い出している。
五日経っても、一度も鳴らないスマホが結果を示しているというのに。



