スノー&ドロップス

 嵐のごとく支度を済ませ、滝が流れるように家を出た。
 毎朝、私たちは最寄りである葉歌(はうた)駅まで一緒に登校している。

「じゃあ、また帰りに。学校頑張れ」

「……鶯くんも、ね」

「うん、いってきます」

「いってらっしゃい」

 鶯くんが通う東堂(とうどう)高校は反対側のホームで、私の(あららぎ)学園とは逆方向へ電車が進む。

 名残惜しく別れた後、鶯くんは向こう側から手を振ってくれる。周りの目を気にしながら、私は小さく手を振り返して。そんな些細なことが、たまらなく嬉しい。


 ーーカレシ?

 昨日、藤春雪はそう聞いて来たけど、私たちは恋愛関係にあるわけじゃない。

 好きだとか、たった二文字の言葉ではまとめられないほど、鶯くんは特別な存在なの。