スノー&ドロップス

 カーテンの隙間からこぼれる光に、眉をしかめて寝返りを打つ。横の髪が落ちてきて、まるでホラー映画の幽霊みたいになる。

 薄っすらと(まぶた)を開けるけど、無気力な頭は枕に沈んだまま。ぼーっとして、朝は思考が働かない。

 ……もうちょっとだけ。

 ぼんやりと視点が定まらないでいると、黒髪のベールがさらりと上げられた。
 目の中に、黒い瞳が飛び込んで来る。(うるし)を塗ったような艶やかな黒色。

「お……うくんっ!」

 慌てて飛び起きると、鶯くんがクスッと笑って壁時計を指さした。

「起きなくていいの? 今日は学校休みなんだ?」

 意地悪なことを言ってるのに、表情は穏やか。太陽が見守るように優しい。

 その顔を見ると、胸がキュッと締まって熱くなる。

 ……って、見惚れてる場合じゃなかった!

 七時十分を示す時計の針。それは私の遅刻を意味する数字でもある。