「えっ、どういうことですか?」
「理由はあとで。……ニー、イチ、行くよ!」
かけ声と共に店を出て、全速力で通路を駆け抜けていく。速すぎて、足がもつれそう。
電車に乗り、車両も前へ前へと移動んで、しっかり繋がれた手が離れる頃には、だいぶ遠くまで来ていた。見たことのない景色。知らない場所だ。
「ここまで来たら、大丈夫かな」
吐息まじりに、藤春くんがつぶやく。
「あの……突然、どうしたんですか? まだ、藤春さんの服、選んでない」
「誰かにつけられてたから、逃げた方がいいかと思って。でも、もういないっぽいから安心して」
ドクン、と心臓の不穏な音が鳴る。
あの時見た人影は、気のせいじゃなかったんだ。尾行されていた? 誰が、なんのために……?
降りたところは、閑静な品の良い住宅街だった。パステルピンクの壁と、淡いブルーの扉が立て付けられた建物が目を引く。そのカフェの外には、何種類もの色鮮やかな花が飾られ、ガラス張りになっている店内も花で埋め尽くされている。
藤春くんに促され、私たちは店内へ入った。もしもさっきの人が追ってきたとしても、ここなら見つけることはできないだろうって。
まるで、映画の中にでも迷い込んだような空間に、心が躍る。花の香りが不安を和らげてくれる。
「これだけ、たくさんの素晴らしいものを教えてもらえて、感動しています。藤春さんには、恩返しができたらと……真剣に思います」
「理由はあとで。……ニー、イチ、行くよ!」
かけ声と共に店を出て、全速力で通路を駆け抜けていく。速すぎて、足がもつれそう。
電車に乗り、車両も前へ前へと移動んで、しっかり繋がれた手が離れる頃には、だいぶ遠くまで来ていた。見たことのない景色。知らない場所だ。
「ここまで来たら、大丈夫かな」
吐息まじりに、藤春くんがつぶやく。
「あの……突然、どうしたんですか? まだ、藤春さんの服、選んでない」
「誰かにつけられてたから、逃げた方がいいかと思って。でも、もういないっぽいから安心して」
ドクン、と心臓の不穏な音が鳴る。
あの時見た人影は、気のせいじゃなかったんだ。尾行されていた? 誰が、なんのために……?
降りたところは、閑静な品の良い住宅街だった。パステルピンクの壁と、淡いブルーの扉が立て付けられた建物が目を引く。そのカフェの外には、何種類もの色鮮やかな花が飾られ、ガラス張りになっている店内も花で埋め尽くされている。
藤春くんに促され、私たちは店内へ入った。もしもさっきの人が追ってきたとしても、ここなら見つけることはできないだろうって。
まるで、映画の中にでも迷い込んだような空間に、心が躍る。花の香りが不安を和らげてくれる。
「これだけ、たくさんの素晴らしいものを教えてもらえて、感動しています。藤春さんには、恩返しができたらと……真剣に思います」



