「清水さん」
「あ……先輩」
テストが終わりちゃんとバイトには行かなきゃ……と気合いを入れて、教室を出ると廊下で待っていたのは以前手紙の文面だけで告白してきた森田先輩だ……。
とても人気な彼は頭脳明晰でスポーツもできて、さらに弓道部の部長であり袴姿は女子生徒だけではなく男子生徒からも憧れのもとだ。
毎日弓道部のマネージャー希望は後を絶えないのに、平凡女子の私に告白なんてする……? 罰ゲームとしか思えないんだけど。
「返事、貰いたいんだけど……いい?」
「……あっ……はいっ」
先輩に付いて行き中庭に着くと向かい合う。
「俺、好きなんだ……清水さんのことが」
「……ありがとうございます、でもなんで私なんですか? お話ししたことないですよね」
「話というか、会ったことがあって……手当てして貰いました、駅で」
え、駅……!? 一生懸命、記憶を巡らせたが全然記憶にない……。いつだろう。
「まあ、覚えてなくても仕方ないよ。あの時はまだ清水さん中学三年生だったし」
「え……そんなに前ですか?」
「うん、だけど……ここの学校に通ってること知らなくて。前、体育祭で見かけて……」
体育祭……私そんな目立ったことしてない気がするんだけどな。



