「よく分からないけど、冬侑なら諦めるの?」





「私は……どうしても譲れないから困ってる」





「…それならそれで良いじゃない。彦星の気持ちがどこにあるのか次第だけど。
その恋を彦星から見えないように隠さないで、伝えることが一番大事」






―――私の一年はあっという間だ。






365日、その内の一日だけの為だけに過ごしているような。






“次会ったらこれ話そう”とか、美味しいお菓子を見つけた時は“小麦に食べたらどんな顔するのかな”とか。






…次こそは好きって言うんだ、って。






言えた事が無いからこうなっているんだけど。






でも、今年は。今年こそは。