その瞬間、包帯で巻かれたミイラ女の目が開いた。

ゆっくりと手が動き、ベッドを支えながら、上半身を持ち上げた。

驚く医師の顔が見えた。

「意識が戻ったのねっ」

「お、お姉ちゃん!」

「ほ、ほんとうなのか?」

周りは驚きと歓喜らしき声をあげていく。


気がつくと、わたしは自分のこの身体に戻っていた。

「みん、な…」

「おい、きみ、ほんとに大丈夫かい? 無理しないで。とりあえず横になって」

医師が戸惑いながら、話すのをさえぎって、

「うそつきやろー!」

わたしは、憎しみを込めてそう言葉を放った。