先生忘れないで、私はここにいるよ。


何度思っただろうか。何度泣いただろうか。


私はここにいる。誰よりも伝えたい人が目の前にいない。何でなのか私にはよく分からない。だって、私はこんなにも……。


「朝日高校一年、本田灯里。100点。」


また、言われてしまった。みんなの前で。


「テストのたんびにいい点とってくれるんだからぁ、いい点どころじゃないよね、満点だよ満点。さすが私の姪。」


姪であることを当然のように公にしながら、私をエコひいきしまくるおばさん、純子先生。無自覚なのか先生の満面の笑みが苦笑いを誘う。やめてほしい、って言えない。