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足音が聞こえて、それからすぐ、近くでシャッとカーテンを開ける音がした。
「……ひろ?」
聞いたことのある声だった。
耳に心地よい低音──芦原くんの声に、よく似ている。
「ん……」
「……ごめん、起こした?」
ふわふわ、ゆらゆら。
最近、芦原くんのことばっかり考えていたからついに幻覚まで見るようになっちゃったのかな。
まだ重たい瞼を持ち上げてごしごしと目を擦る。
「体調わるい?大丈夫……じゃねーか、ここで寝てんだもんな」
目をこすっても変わらない景色。
映り込んだきれいな金髪は芦原くんの代名詞だ。



