何はともあれ、これ以上ここに居たら覗いていたのがバレちゃうかもしれない。
芦原くんと会長の関係がどうであれわたしには関係ないことだもん。
何も見なかったことにして、早く日誌を出して帰ろう。
───と、心に決めて扉から離れようとした時。
「…あれー?」
視界の先、会長の背中越しに、芦原くんとしっかりばっちり目が合った。
え、え、なんで気づかれたの。
呼吸なんてほぼ止めていたようなものだし、ドアだってもともと開いていたから、物音なんて立てていないのに。
第六感で気配を察知された、とか…!?
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