保健室で、モテすぎ問題児くんに甘い噛みあとを付けられました。





「つーか赤城、おまえ今日彼氏いいの?待ってんじゃねーの」

「少し遅れるって連絡来てたんだもん。茜に言われなくても帰るし!」

「じゃあな」

「早く帰れよみたいな顔しないでってば!」




吉良くんが赤城さんにひらひらと手を振る。赤城さんは「茜ホントつめたい!」と文句を言いながらも靴を履き替えていた。



「ひろちゃん、突然ごめんね!」

「あ、え、」

「ビビらそうとかしてなくて。ただホントに、あの玲於が気に入ってる子が気になっただけなの。また話そうね!」




そう言って赤城さんはその場を去ってしまった。



嵐のような女の子だった。色々聞かれたはずなのに、わたしはひとつもまともに返せなかった。


遠くで揺れるウェーブを見つめながら、はあ……とため息をつく。