保健室で、モテすぎ問題児くんに甘い噛みあとを付けられました。






「あ。茜!」

「ビビられてんじゃねーの?勝手に絡むと玲於に怒られんぞ」

「ビビらせてないよぉ!?」




やってきたのは吉良くんだった。

ふあ……とだるそうに欠伸をしながら、「はたから見たらカツアゲ」と呟いている。




目が合うと、「よ」と短く挨拶をされた。
慌ててわたしもぺこりと頭を下げる。



「気になるなら玲於に聞いたほうはえーだろ」

「だって〜、玲於教えてくれないんだもん。気になるじゃんか、玲於のお気に入り!ビビらせるつもりはなかったんだよ?」

「赤城は顔の圧が怖いんだわ。せめてその赤リップ取ってからにしな」

「だめ!この色じゃないとあたしじゃないもん!」

「あそ」

「あからさまに興味なさそうにしないでよぉ!この話振ったの茜なんだけど!」




やり取りを見る限り、ふたりは仲が良さそうだ。

むうっと唇を尖らせる赤城さんはすごく可愛くて、同姓のわたしでもドキっとしちゃうくらい。