「玲於がちゃんとしないと私の仕事増えるんだからしっかりしてよね」
「はいはい、悪かったって」
「反省してないでしょ、もー…」
覗いた先でわたしが見たのは、生徒会長の頭を優しく撫でる芦原くんの姿。
会長は頬を赤らめて少し照れくさそうにしているように見えた。
クールビューティーで有名な会長。
秀才でリーダーシップがあって、全校集会とかで見かけるたびに、眩しすぎて目が潰れそうになるくらいの美人。
真面目で清楚な人だとばっかり思っていたから、芦原くんに触れられて恋する女の子…みたいになっているのが意外だった。
「玲於、今日は?」
「んー…今日どうしよっかなぁ」
……今日は。
なに、するんだろう。
「玲於」なんて下の名前で呼ぶくらいの仲ってことは、ふたりは付き合ってるのかな。
でも、芦原くんって確か特別な女の子をつくらずに遊んでるって噂もよく聞くし、会長のそのうちの一人……だったりして。



