1週間前、長かった地獄のテスト期間がようやく終わった。


七海のスパルタ指導と芦原くんのやさしい助言もあって、わたしはなんとか全教科赤点を回避することができたわけ、なんだけど。



一緒にテスト勉強をしたのが幻かのように、テストが終わってから芦原くんとは関わる機会がなくなってしまったのだった。



……やっぱり、一緒にイルミネーションを見たあの日のことが原因だろうか。


手を繋いで帰った。
一緒に大きなイルミネーションを見る約束をした。


───芦原くんとキスをした。




幻なんかじゃない。

わたしが今まで経験したことのない熱が、芦原くんから伝わって来たから。




『なかったことにすんなよ、ひろ』





芦原くんがそう言ったのに───…まるでわたしを避けているみたいに、芦原くんが絡んでこなくなった。