俺の中で変化ってなんだよ。




​───…ひろ以外に触られたくない、なんて。



意味わかんねーだろ、俺。


そんなことを思いながら、赤城に触れられるはずだった髪をはらって直す。


……すると。





「珍しく本気なんじゃん?二瀬ひろに」




スマホから目を離した茜が言った。心做しか笑われている……ような気がする。




なんで何も言ってないのに思い浮かべてるのがひろだってバレバレなんだ。

そんなに分かりやすのか、俺って。




「……そういうんじゃねーから。多分、わかんないけど」

「いやそれ、黒よりのグレーじゃね」

「うるせーって」

「はは。まあ、俺は応援してるよ、玲於のこと」

「……うぜー。俺購買行ってくるわ」




ニヤニヤする茜から逃げるように、俺は席を立つ。









​───本気なんじゃん?二瀬ひろに




……だとしたら単純すぎるだろ、俺。


脳内で繰り返す茜の言葉に首を振り、俺は購買に向かった。