「……えぇ〜?」



パチパチと瞬きをする赤城。

茜も驚いたように俺を見ている。




なにしてんだ、どうしたんだ、俺。



赤城が俺に触れてくるのはわりと日常的なことで、これまで何度もあったことだ。

距離近いな……と思うことはあってもその程度で、拒否する程度じゃなかった。




「……わるい」

「んん、いいよぉ。気にしてなーい」



すぐに謝ると、赤城は変わらないトーンでそう言って笑った。

赤城のこういうところが、友達として長続きできる理由なのかもしれない。




「なぁんか、玲於のなかで変化が起きたのかもね?」

「変化だぁ?」

「そうそう〜。てかそれは玲於が知ってるんじゃないの?あたしは知らないけどぉ」




赤城は「あたしもう席戻るねぇ」と相変わらず語尾を伸ばして言うと、ひらひらと手を振って自分の席に戻っていった。