ーside 玲於ー
───最近、俺はどうも変だ。
「れーお」
「んー」
「ずーっとそうしてるけど、お昼食べないのぉ?」
昼休み。お昼ご飯を食べずに机に突っ伏していた俺にそんな声がかけられた。
顔を上げずに曖昧な返事をする。
語尾が伸びる独特なゆるい喋り方をするのはクラスメイトの赤城。1年の頃、同じ遅刻仲間として通ずるものがあって絡むようになった。
女の子はべつに苦手じゃない。
そりゃあずっと険しい顔をしている人より優しくてフレンドリーな人のほうが愛嬌があるし好感度もあがるわけで。
女の子は特に、昔から俺の顔が好きだって告白してくる人が多いから、当たり障りなく告白を断って「友達」というていで関わる方が、俺にとっても何かと都合がいい。
やさしくした分だけ、やさしさで返してくれる人がほとんどだから。