「芦原くん、連れてきてくれてありがとうっ」
語尾を弾ませてお礼を言うと、満足げに微笑まれる。
「ひろ、イルミネーションとか好きだった?」
「うん、好き!きらきらしたもの、つい目がいっちゃうの」
クリスマスシーズンは特に、街中がきらきらしているから大好き。
寒さに勝るかわいさがあるんだ。歩くだけでわくわくするし楽しいもんね。
「毎年、駅前のイルミネーションは千花ちゃんと行ってるよ」
「ふうん。今年も?」
「え?あ、まだ約束はしてないけど多分今年も……」
「じゃあ、今年は俺が先約してもいい?」
多分今年も千花ちゃんと行くことになると思う。
そんなわたしの言葉を待たずに、芦原くんが言った。
イルミネーションから目を離し、パッと顔を上げる。色とりどりの光に照らされた横顔がやけに綺麗だった。



