勉強会の時も、意外とごつごつしている指とか、時々香る芦原くんの柔軟剤の香りとか。
気になって、全然集中できない時もあった。
だけど芦原くんにバレたら恥ずかしいし、七海にも怒られちゃうと思って、家に帰ってからひとりで復習もたくさんした。
寝不足なのは自己責任で──…だけどちょっとだけ、
「……芦原くんのせいだもん」
ぽろり。零れた声にハッとするも、芦原くんにはちゃんと聞こえていなかったようで「なんか言ったー?」と首を傾げられた。
……ほっ。
よかった、聞かれてたらどうしようかと思った。
「な、なんでもないよ!」
「そ?」
ぶんぶんと首を横に振って誤魔化す。
芦原くんは「気になるー」なんて言っていたけれど、それ以上深く追求してくることはなかった。



