「七海……だめ、かな」
「……」
「な、七海の好きなお菓子買うから」
「おい、お菓子で人が釣れると思ってんのかお前」
ぎろ、と睨まれる。
うう、こわい。
七海の瞳とオーラがこわいよ……。
「……むかつく」
「え?」
「なんでわざわざライバルに手を貸すようなことしなきゃなんねーんだよ」
大きなためとともに七海がぶつぶつ呟いていたようだけど、声が小さすぎて全然聞き取れなかった。
聞き返してみるも、「なんでもない」と誤魔化される。
意外と秘密主義の七海は、中学のときから変わらない。
「七海くん、俺がいると不都合でもあんの?」
「不都合しかねえわ」
「それは七海くんがひろを、」
「黙れしゃべるな不愉快」
「うはっ、すげー嫌いじゃん俺のこと」
「好きになることはこの先もないだろーな」
「仲よくしようよ天邪鬼くん」
「誰が天邪鬼だ!」
けたけた笑う芦原くんと、目を合わせずつんとしている七海。
ふたりが話している内容はわたしには理解できなかったけれど、気が合わなくても意外に仲良くなれそうなんじゃ……?と心の中で密かに思う。



