保健室で、モテすぎ問題児くんに甘い噛みあとを付けられました。




「テストやばいからこの優等生くんに教えてもらってたってことか」

「うう……」



バツばかりのプリントと、七海と千花ちゃんの存在からすぐに状況を察したようで、芦原くんが「なるほどなるほど」と頷く。




「これ、テスト期間中ずっとやる予定?」

「う、うん……わたしの頭じゃ追いつかないから……」

「うはは、そっか」




笑うたびに八重歯がのぞく。


吉良くんからはやたら視線を感じるし、千花ちゃんはこの状況を楽しんでいるようにも見える。


七海に至ってはなんだか纏うオーラが不機嫌で──…





「なあ、ひろ。これさ……」

「邪魔しに来たなら帰ってほしいんだけど」




ぴしゃり、七海がそう言い放つ。