「テストやばいからこの優等生くんに教えてもらってたってことか」
「うう……」
バツばかりのプリントと、七海と千花ちゃんの存在からすぐに状況を察したようで、芦原くんが「なるほどなるほど」と頷く。
「これ、テスト期間中ずっとやる予定?」
「う、うん……わたしの頭じゃ追いつかないから……」
「うはは、そっか」
笑うたびに八重歯がのぞく。
吉良くんからはやたら視線を感じるし、千花ちゃんはこの状況を楽しんでいるようにも見える。
七海に至ってはなんだか纏うオーラが不機嫌で──…
「なあ、ひろ。これさ……」
「邪魔しに来たなら帰ってほしいんだけど」
ぴしゃり、七海がそう言い放つ。



