「よ。ひろ」
「え?な、なんで……」
「なんでって、目が合ったから?」
から? って、疑問形で聞かれてもわかんないよ。
頭の中にハテナが浮かんでいるのはわたしの方。
さっき、たまたま店の前を通っただけで、会釈しただけで。
───かと思ったら、どういうわけか芦原くんが店内にやって来た。
ちらり、芦原くんの横にいる吉良くんに視線を向ければ、「どーも?」とこれまた疑問形であいさつされた。
あわわわ、高嶺ツインズこわい……!!
「なに、テスト勉強してんの?」
「え、えっと、うん…」
「うはは、ひろのプリントバツばっかだ」
「……あっ!?わああああ!?」
授業の最後にやって、15問中2問しか当たっていないバツだらけの小テスト。
七海に言われて最初から解きなおしていたところだったから広げたままにしていたんだった。
笑われた。
バカなやつだって思われたに決まってる。
やだやだ、芦原くんにへんなところ見せたくないのに…!



