「あーあ。11月入ったらすぐテストだねぇ」
「うげー、やだなぁ…」
「ひろ、真面目なのに頭弱いのかわいくて好き」
「全然うれしくない……」
11月の半ばに中間テストが控えているから、11月に入ったらすぐテスト期間に入ってしまう。
イヤでも勉強しなくちゃいけない日が2週間も続くと思うといやだなぁ……。
とかとかとか。
ファストフード店で一時間ほど雑談をしてから千花ちゃんとそんな話をしながら店を出る。
駅に向かう足を進めていると、ふと視界の先に見覚えのある金髪を見つけた。
あ、と反射的に声がこぼれる。
隣には、同じ学校の制服を着たロングヘア―の女の子。わたしが昨日うっかり目撃した時にそばにいた会長とは違う人だ。
わたしのこぼした声に首を傾げた千花ちゃんもすぐに芦原くんの姿を見つけたようで、「あー…」と苦笑いを浮かべていた。
「まあでもたしかに、あれじゃ期待すらできないかぁ」



